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Words and Their Stories

English

 

山ねこ  Wildcat

 

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E01


ことばの由来 -- 特別英語番組。どんなことばでも、それにまつわる話がある。どこから出たのだろうか。どんな意味だろうか。そしてどのようにしてアメリカ英語に入って来たのだろうか。きょうのことばは「山ねこ」である。

 

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E02


山ねこの大きく鋭い叫び声は、背筋をぞくっとさせる。多くのアメリカの初期の開拓者は、何度もこの寒気を感じたものだ。気性の激しい山ねこは農場を襲い、羊を盗み、牛を殺した。たぶん山ねこの素早さと無分別な行動とが、その名前をアメリカ英語に入り込ませたのであろう。なぜなら1800年代初期には、議会であまり考えもせずにすぐに行動に移る議員に、「山ねこ」の名前が与えられたからである。1812年に、アメリカがイギリスと戦争を始めた時のことだが、ある雑誌には次の記事が載った。「山ねこ議員のうち何人かが帰郷してしまったのは、不必要な戦争を始めたという重大な責任に直面できないからだ」

 

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E03


1800年代の初期には、アメリカの西部はまだ開発途上にあった。町は一夜にして生まれた。金が多くの場所で発見された。西部の発展があまりにも速いので、ワシントンの政府も、その速さについていくことができなかった。実際、銀行や貨幣発行に関する国の法律がなかったので、各州ごとに銀行に紙幣を発行する許可を与えていたのである。ミシガン州のある銀行は、色刷りの紙幣を発行したが、そこには山ねこの絵がついていた。すぐ、国中にいろいろな種類の紙幣がはんらんした。いくつかの銀行では、所有する金よりも多くの紙幣を発行してしまった。つまり紙幣は、ほとんど値打ちがないわけである。そのような紙幣は「山ねこ通貨」「山ねこ紙幣」などと呼ばれた。そしてこのようなお金を発行した銀行は、「山ねこ銀行」と呼ばれた。サウス・ダコタの新聞にこういう記事が出た。「近ごろは山ねこ通貨の時代であり、日の出のころ金持であっても、日が沈むころには貧乏になっているかもしれない」

 

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E04


ちょうどこのころ、カリフォルニアで金が見つかったことが報告された。人々は金持になろうとして、西へ殺到した。ある人は金を探し、ある人は石油を探した。何人かは金を見つけ、何人かはいくらかの石油を探しあてた。多くの人は何も見つからなかった。しかしこの発見騒ぎは、たいへんなものだった。国中が熱病にとりつかれた。また山ねこのように素早く行動した人もいた。彼らは鉱山を開き、他人に売りつけ、そのお金を持って逃げてしまった。なぜなら金や石油はもともとなかったからである。そのような鉱山やいんちき油田は「山ねこ」と呼ばれた。そこでやっとワシントンの政府は新しい法律を作り、通貨、採鉱、油田掘りを統制した。しかし「山ねこ」ということばはそのまま残っている。

 

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E05


今日では、だれでも石油、ガスを求めて、出るかどうかわからない場所で掘る人は山ねこである。どんな実業家も非合法にお金をもうけるなら山ねこである。最近、「山ねこ」ということばは、ストライキに関しても使われるようになつた。「山ねこストライキ」とは、労働者が組合の許可なしにストをすることである。

 


日本語訳 Tsuneo Kimura

 

 

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