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Words and Their Stories

English

 

屈辱を忍ぶ Eat Crow

 

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E01


ことばの由来 -- 特別英語番組。どんなことばにも、それにまつわる話がある。どこから出たのだろうか。どんな意味だろうか。そしてどのようにしてアメリカ英語に入って来たのだろうか。きょうのことばは「カラス」である。

 

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E02


カラスは、音から人間の歴史とかかわり合って来た。ほかのどんな鳥よりも非難されたり、ほめられたりされている。カラスが悪を運ぶ鳥として恐れる人もいた。農夫にとっては、カラスは腹をすかしたどろぼうである。空から舞い降りて、トウモロコシの芽を食べてしまうのだ。しかし、ほとんどの人はカラスを大きな、うるさい、わずらわしい鳥と思っている。それで理解しやすいのは、なぜカラスがアメリカ英語の一部となったかということである。

 

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E03


自分の事や、自分の行いを大声で話す人は「自慢している」という。この意味は古代英語かフランス語から来ている。しかしアメリカには、カラスに関する違った言い伝えがある。それは次のとおりである。人があることを声高に自慢していったあと、自分が間違っていたことを認めなければならない時に、「屈辱を忍んでいる」といわれる。だれもこの言い伝えがどのようにして発生したのかは知らない。しかしそれについて、次の話がルイジアナの新聞に出たことがある。1851年のことである。

 

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E04


ある男が経営する下宿屋の食事があまりにもひどいので、下宿人は文句をいった。ある日彼らがあまりにうるさく文句をいうので、主人は笑っていった。「私なら何でもおいしく食べられるのだがね」そこで何人かが彼を試してみることにした。彼らは1羽の大カラスを殺し、それを料理して、おいしく見えるようにした。しかし、秘かに彼らはそれにひりひりするこしょう、かぎたばこ、塩を足した。彼らは、おいしそうな料理を主人の前に置き、食べるように勧めた。主人はカラスを大きく一口ぱくついたが、それはひどい味だった。彼は料理を押しやるといった。「ああ、カラスだって食べられるけど、おいしいなんてことはないね」

 

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E05


その時より、次のことがいわれている。「何かをいったあとに、自分が間違っていたと認めざるを得ない場合には、カラスを食べているといわれる」

 

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E06


1948年、多くのジャーナリストや世論調査家は「カラスを食べる」(屈辱を忍ぶ)はめになった。当時、ハリー・S・トルーマン大統領は、再選を目ざして選挙運動中だった。彼の対立侯補はニューヨークのトーマス・E・デューイだった。ほとんどのジャーナリストや世論調査家はデューイが勝つと確信していた。その一人に、H・V・キャルテンボーンがいた。選挙の最終結果が出る前に、彼はラジオで放送し、デューイが勝ったと報じた。選挙当日の晩、トルーマン大統領は、早く寝てしまった。翌朝、キャルテンボーン氏は驚いた。トルーマンが勝っていたと知ったのだ。トルーマンは世論調査家やジャーナリストたちを笑った。彼は、彼らをラジオでからかった。多くのアメリカ人は喜んだ。専門家が間違いを認めて、しぶしぶ、いわば「カラスを食 べる」はめになったからである。

 


日本語訳 Tsuneo Kimura

 

 

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