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Words and Their Stories

English

 

ねこに鈴をつける Bell the Cat

 

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E01


ことばの由来 -- 独特な表現についての番組。きょうの表現は「ねこに鈴をつける」である。意味は危険な行動をあえてするである。

 

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E02


ねこは言語に多くの独特な表現を与えたが、これは、人間の中でねこがどのように生きて来たかをうかがわせるものである。たいていの場合、「ねこの生活」といえば、「犬の生活」というのと同じくみじめなものだった。けれども中には別のことを意味する言い回しもいくつか見出される。その一つは「ねこに鈴をつける」という。人が何か危険な仕事を命ぜられた時、彼はねこに鈴をつけようとしているのだ、といわれる。このことばは昔話から来ているのである。

 

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E03


ねずみの一家は食物を手に入れることができなかった。ねこが怖かったからである。ねずみは、一番いいのはねこの首に鈴をつけることだと決めた。それならねこの居場所がわかるはずである、みんなはそれはいい考えだと同意したが、一匹の賢い年寄りのねずみが進み出てたずねた。「だれがねこに鈴をつけるのだね」

 

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E04


「テェシャーねこのようににやりと笑う」という表現がどうして始まったかについてはたくさん説がある。私たちがたいてい最初に耳にするのは、ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』に出て来るテェシャーねこである。

 

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E05


アリスは、耳から耳まで大口を開けてにやっとしている大ねこを台所で見つけて、本当に驚いた。ねこがにやつくなんて知らなかったのである。「あー、このねこはチェシャー (イギリスの郡)の生まれですもの」とアリスは教えられた。それから、ねこが台所から消え始めた。まず尾が、そしてそのにやりとした笑顔が最後に消えて行った。

 

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E06


しかしテェシャー郡出のねこの不思議な微笑は、ルイス・キャロルの物語よりずっと前から有名だったようだ。ある看板絵かきが、この不思議な微笑を創造したようである。笑っているライオンの絵をテェシャー郡の宿屋の看板にかいた。それは不思議な微笑だった。というのも、ペンキ屋は、歯をむいてうなるライオンをかこうとしたからであった。しかし今日「チェシャーねこのようににやりとする」という言い方は昔ほど使われなくなった。でも「だれかの手先に使われる」という表現は今日でも使われる。利用され、だまされ、だれかの代わりに不正な仕事をする、という意味である。

 

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E07


「ねこのような」ということばは、他人のうわさ話をしたり、悪口をいうのが好きな意地悪な人を形容するが、このことばは永遠に続きそうである。というのはそんな人がいなくなることはないからである。そんな人はねこの鋭い爪を出し、怒ってうなり声をあげるねこのようなそぶりを見せる。

 

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E08


近年アメリカのジャズ演奏家は、ねこということばを目常茶飯事に使った。それが広く使われるようになったのである。多くの人が今では「ジャズ通」というわけだ。場所によっては「男」の代わりに「ねこ」ということばが使われる。例えばあの男、という代わりにあのねこ、という。金持は、肥えたねこだ。ただの平凡なねこもいれば、ジャズ通のねこもいるし、めかしこんだねこもいる。偉大なアメリカの管楽器奏者、ルイ・アームストロングにいわせると、「真新しいステットソン帽子をかぶり、りっばな黒の背広を着て、新しいエナメル皮のくつを履いていた。めかしこんでいたもんだよ」

 

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E09


ねこに9つの命があるというのは本当だろうか。そういわれている。本当に違いない。そうでなければ、ねこが今日まで生き長らえているわけがないのである。

 


日本語訳 Tsuneo Kimura

 

 

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