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3. 訓練・経験で誰でも日常の意思疎通レベルには到達できるのがことばです  (3/11)

何十年にもわたって、英語教育が公教育を通じて広く施され、学習の効果を狙った様々な学習法や教授法が研究され、次々に提案されています。また、町々には多くの英語教室が開設され、学習書籍などはありとあらゆるものが書店等に山積みされています。市販教材や通信教育も然り。 海外にも気楽に行くことができる時代です。それでもたくさんの方が旧態依然と英語能力向上学習に苦労している状況が続いているのはなぜでしょうか?

英語が日本語とは異なる言語系統に属することばであること、そして国内では日ごろ自然に英語に接したり使ったりする機会が極端に少ないことが、日本人が英語を習得するのを難しくしています。 意識面では日本では英語で意思疎通ができないと一般の社会生活においていちじるしい不利を負ってしまう、場合によっては生き死ににもかかわるという本当に切迫した必要性を通常感じることがないことも大きく影響していると思われます。

国内の環境や状況の下での実用に向けた能力習得は目的 (動機)を持って、英語に積極的に接 し続ける自己学習環境を自らの行動で継続的に持つことをしなければ、「コミュニケーションに使える英語能力」習得にどうしても不可欠な経験の絶対量はいつまでたっても全く足りないままの状況になります。

英語上達学習の一環として市販教材・学習書籍を買うもよし、通信教育を利用するもよし、 学校に通うもよしです。しかし、それら既存の教育サービスには経済的負担や、教育・学習(英語経験量)の時間的な制約が伴なうものであることを知ってください。 たとえ、それらの教育プログラムが綿密に効果・効率を考えて組まれ、優れた指導手順によるものであったとしても英語に慣れ親しむための経験量に関して言えば、時間にしてせいぜい数十時間から百余時間程度のものがほとんどでしょう。 その英語経験量というのは単純に言語能力習得に必要となるであろう「英語に接する経験の絶対量」から見れば、それだけではどう考えても高が知れている(量としては桁違いに全く足りない)と言わざるを得ないのです (しかも、それらの教育プログラムが英語和訳や文法 説明中心の日本語による解説で行われていれば、それらのプログラムを通して得られる英語そのものを経験する量は実際はさらに極めてわずかなものとなっているでしょう )。そのような状況での圧倒的な「英語経験」の不足を補う手段として重要となるのは、積極的に 日々英語との関わりを持つことを心がけるあなたの自発的な自己学習活動です。

巷には英語上達を願う人たちの衝動買いを誘うために「画期的な教材(教授法) だから自然に無理なく上達できる、楽々身につく!」「1日数分〜するだけであなたも効率的に短期間でマスターできる」などと目を引く派手な宣伝文句でもっともらし く理屈・理論を並べたてながら、その実、 明らかな成果実証も示せない(または、客観的にその有効性を誰もが納得できるかたちでできる限り示したいという意思など もとから持ち合わせていない)まま、効果・成果の大風呂敷を広げる「商いの口上」が氾濫・横行しています。

「そのプログラムが期待成果として謳う上達・マスターとは何がどう伸びることを言うのか?現在どのレベルにいる人が対象なのか?その好成果というはどのくらいの対象数に基づきどのような手段 を用いて評価・測定したのか?その 履修率(途中脱落せずにそのプログラムを最後まで終えることができた人の割合)および歩留率(そのプログラムが到達目標として示す一定成果まで到達した人の割合)」等 の根拠となるものを全くあいまい不明な状態のままに「とにかく、 英語にあこがれを持っている人、英語力が必要な事情・都合に直面して焦っている人たちをその気にさせて売買契約をさせてしまえば、後はこっちのもの」とばかりにイメージ先行であたかも万人向け即効万能薬のごとく謳い(学習者が 自分の願望・都合に沿うかたちで労せず上手く行くと自分勝手に妄想!?するように)成果・効果の期待を膨らませ、衝動買いするように仕組んだ誇大表現が野放し状態です。英語教育ビジネスがしばしば「夢売り商売」 と揶揄される所以です。

あなたが実際のコミュニケーション(人と人との相互のスムーズな意思疎通)に使える英語力の上達を真に願っているのならば、特に自助努力(日々英語に慣れ親しむ機会を求め経験や訓練を積む工夫) をしなくとも、上げ膳据え膳のわずかな学習・経験量でインスタントに英語能力を授けてくれる学校や教育サービスがあるにちがいない?などという幻想を抱いていてはいけません。

「あなたも簡単すぐに無理なく外国語が身につく」とキワモノ商いの業者たちが宣伝する能書きの通り、インスタントに英語能力が身に付くことを可能とする学習法や教授法がもし存在するのならば、実際に少なくとも義務教育期間にすべての人が一律に最低限の基礎知識を習う英語学習機会を得ることができ、そしてさらに実用に向けた技能としての上達の意志を持つ方々が 日々自己学習にも努めながら、その習得に苦心 ・奮闘する状況が続くことにはなっていないはずです。 国際人材の育成を図りたい企業・団体が職員の英語能力向上を支援するために本業とは別にわざわざ貴重な時間を割き、多大な語学研修・教育費予算を使う必要もないでしょう。日本人の英語コミュニケーション能力レベルが先進諸外国と比べて低いことが社会の話題にのぼることもありません。

いわゆる促成学習法というものは非常に限られた範囲を直前に習った一時的な記憶に頼ってその場の達成感や満足感を得る程度のものにならざるを得ません。 あくまで学習のほんの一環をなすものとして捉えて、英語学習のきっかけや弾み付けなどに上手に利用し、あなたがそのサービス代価に納得するのならばそれはそれで良いことなのですが、その後の継続学習(繰り返して習熟し定着化を図ること)を怠れば、費用と時間をかけてせっかく学んだこと さえも時の経過とともにあっさり あっけなく忘れてしまうことになります。

何をどのように使って学べば効果的であるか」 について理にかなっていると思われる練習方法を研究し、自ら実践(試行)してみることは悪いことではありません。しかし、短絡に「効果的=即習 (手っ取り早く短期に)」だと勘違いしてはいけません。これから英語コミュニケーションのための基礎体力作りに取り組む方はまず「能率」よりも「効果」を優先に考えてください。技能としての英語能力上達 において「能率」を考えるのはせめて自分に英語対応の最低限の基礎体力「語感」「慣れ」がなんとか築けた!という実感や自信が得られるようになってからにしましょう (基礎体力がまだ築けていない段階で能率を求めるのは時期尚早)。そして何をどのように学べば効果的であるか」への関心に加えて「量的な経験(訓練)の必要性(重要性)」についての意識を持ってください。

英語の検定試験などを現時のレベルを判断する参考、次なるレベル到達への目標目安として活用するのは大いに結構なことですが、実力を測るために設計されているテストというツールを学習 ・教育の目的化しないようにしてください。日本では検定試験の結果が「英語の資格?」として進学、就職、昇進に有利になるともてはやし、テストの一結果がその人の英語によるコミュニケーション能力・資質を証明する絶対的なものであるかのように盲信して扱う傾向があります。この傾向は「英語が上手になるための学習(教育)」を「英語テストが上手になるための学習(教育)」へとすり替えてしまっている状況さえ生じさせています。そして、テストを目的とした学習(教育)の結果、(能力)テスト高得点取得者ではあるが、実際にはその高得点に見合う実用能力が伴っていないというおかしな状況をも多く作ってしまっています。 そうなると「資格」というより「形式」です。テストは英語学習・教育活動の重要なる「脇役 (目安)」として扱われることで、その役割を果たすことができるものです。テストというツール(測定手段)を要領良く攻略することを英語学習・教育の「主役(目的)」に据えてしまっていてはいけません。 本末転倒です。
TOEICテストとのつきあい方について

言語能力はその習得過程において経験または訓練の絶対量の積み重ねが必要です。 ある程度の経験や訓練の経験の蓄積を通して定着化したベース(土台) というものがあってこそ、そこからコツやノウハウも生まれてきます。先ず、最低限のベースとなるものを自ら英語経験を積むことを通して築くことをせずに受け売りのコツやテクニックに頼って近道を見出そうとしても無理な話です。

当然のことながら英語経験(訓練)の積み重ねによるベース(土台)作りはどうしても時間(期間)がかかります。 残念ながらあなたが上達を急ぐ個人的な都合や願望に沿うようにとは行きません。必要時間は学習者それぞれの現時のレベル、到達目標とするレベル、英語に接する(かかわる)頻度と量、その訓練内容によるので一概に言うことはできません。しかし、あえて述べれば数千時間単位またはそれ以上の英語経験の積み重ねです。これは実用に向けた英語能力習得において絶対に必要なことです。

しかし「聞く」「読む」「話す」「書く」の訓練・経験を日々、十分に着実に積み重ねて 行きさえすれば、日常生活の意思疎通を図ることのできるレベルぐらいには才能の如何にかかわらず誰でも到達できるのが「ことば」 であるということができます。 

その第一歩として、誰にでも簡単すぐに始められることのひとつは、ニュースなど社会生活に密接した英語情報に接することを毎日の習慣とすることです。 量的な英語経験の蓄積はあなたの英語に対する学びの質を変えます。

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